Design and Works

周南の家

山口県周南市のほぼ中央に位置し、戸建て住宅とマンションが混在し、閑静で落ち着きのある街並みを形成する地域の中で、しっかりと存在感を主張する木造2階建ての住宅が完成しました。
プライバシーの確立と採光通風の確保、又家事動線の簡略化と収納計画の充実をテーマに計画されたこの住まいは、当初は中規模なリフォーム計画からスタートしました。

昼間でも照明を点け、プライバシーの確保とは程遠い空間構成、設備機器の老朽化及び、熱効率の悪さ等々の不満個所の対応をする場合の費用対効果を熟考された結果、新築工事の選択を決断されました。

デザインされた屋根付の駐車場はゆったりと2台分のスペースを確保、来客時には駐車場奥の木製引き戸を開ければ更にもう1台分の駐車スペースがあります。

ヒバ材で作られた大きな玄関ドアを開けると、地窓越しに外光を垣間見ます。正面には黒く塗装されたキューブボックス、その上にさりげなく黒の手水鉢・・・実用的に手洗いでもあり、又、オブジェとしてスポットライトに水紋が浮かび上がります。

階段を2階へ上がると大きな開口部から降り注ぐ陽光と開放感あふれるリビング空間が広がります。屋根勾配なりに構成された2.5次元的な天井、壁は漆喰を塗り、良質な質感を感ずるとともに大胆な空間を構成しています。
1階の駐車場の屋根を利用した約10帖大のバルコニーはアウトドアリビングとしてリビングと段差の無いウッドデッキテラスとして様々な利用が可能です。
様々な大きさと位置にある窓はデザインを構成するだけではなく、しっかりと風の道を意識しております。
その他、随所にある収納は、それぞれが綿密に計画（打ち合わせ）された収納スペースであり、将来増えるであろう収納物にもある程度対応できる様作られております。

ダークグレーの外壁に白色の壁が介入する外観にシンボルツリーの“ソヨゴ（冬青）”が映えます。
風に吹かれ、葉の擦れ合う音が聞こえてきそうです！！